【第9戦 FUJI GT 300km RACE】

オートバックス スーパーGT第9戦 FUJI GT 300km RACE (4.563km×66Lap)
11月3、4日/富士スピードウェイ (静岡県)



GT100戦記念のメモリアルレース
ユンケルパワーで駆け抜けた、最終戦に相応しい感動のレース


● GT300クラス(TEAM TAISAN with NISHIZAWA)

世界最長のホームストレートを持つ富士は、開幕当初よりポルシェが得意とするコースと公言している。そのプレッシャーと、20kgのウェイトハンデにも負けず、チーム全員で、「勝ちたい」という意志を持って臨んだシーズン最終戦。
2日金曜日のフリー走行時には総合トップという、その実力を見せつける形で迎えた、3日土曜日の予選。300クラスの予選アタック開始5分、谷口選手が乗り込みピットアウトしたが、まさかの11番手のタイムで、チームに焦りの色が見えた。マシンから降りた谷口選手も、険しい表情。スーパーラップ出場を目指し、谷口選手は再びマシンに乗り込んだ。500クラスとの混走時にタイムを出すことはそう簡単ではないが、緊張した空気の中、谷口選手がアタック開始。そして、1’42”259をマークし、5番手でスーパーラップ出場を決めた。予選終了後、1位のマシンに規定違反があり、ユンケルパワータイサンポルシェは予選4番手でスーパーラップに挑むことになった。そして迎えたスーパーラップ。谷口選手は早々にマシンへと乗り込み、集中力を高めていた。いつも明るく、穏やかな谷口選手だが、ヘルメット越しに見える目つきは鋭い。ピットアウト、ウォーミングラップを終え、いよいよアタック開始となったが、アタック開始のヘッドライトが点灯しない。小さく見受けられるトラブルだが、谷口選手の集中を切らすには十分だ。タイムは1’43”035で、7番手。マシンから降りてきた谷口選手は悔しさを隠せない表情だった。

そして決勝当日。朝から富士山もくっきりと姿を現し、清々しい1日となった。前日のスーパーラップでは不本意な結果にだったが、気持ちを切り替え、朝のフリー走行ではトップタイムをマークした。そして、14:05に決勝スタート。ユンケルパワータイサンポルシェは7番手からのスタートだったが、谷口選手の好スタートで4位にジャンプアップ。ここから谷口選手の猛追と言ってもいい走りが始まった。2ラップ目には3位、3ラップ目に2位へポジションアップし、あっという間にトップが見えてきた。5ラップ目、トップとの差が3,8秒まで追い詰め、10ラップ目にはトップとの差が1秒、トップは目の前。谷口選手の冷静かつ気迫のドライブが続く。ピットも食い入るようスタッフ全員がモニターを見つめ続ける中での12ラップ目、ユンケルパワータイサンポルシェは遂にトップに躍り出た。さらに2位との差を引き離しにかかる谷口選手。30ラップでピットインの予定だったが、谷口選手は33ラップでピットイン。2位に10秒以上の差をつけ、ドミニク選手へステアリングを渡した。メカニックも完璧なピット作業をし、34秒でドミニク選手をコースへと送り出す。マシンから降りてきた谷口選手にスタッフからかけられた言葉は、「カッコイイ走りだった」。そして、ユンケルパワータイサンポルシェの「カッコイイ走り」は終わらない。ドミニク選手は、1度もトップを明け渡すことなく、2位に14秒もの大差をつけ、チェッカーを受けた。
「圧勝」という言葉がぴったりなレース。茂木での40秒という大差での勝利に続き、最終戦で再び魅せてくれた。実はスタート前、スタッフ同士での雑談中で、「今日のレースは1周目で5位、2周目で3位、10周目くらいまでに2位にアップして、20周くらいまでには1位になり、そのまま優勝する。」という話を、やや冗談交じりにしていた。まさにその予想以上の活躍を見せてくれたユンケルパワータイサンポルシェ。結果として、チャンピオンシップに絡むことはできなかったが、シーズン前にあったであろう周囲の想像以上の活躍で、SUPER GTの面白さや感動を、見せて、伝えてくれた。

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● GT500クラス(TOYOTA TEAM TOM'S)

今回40kgのウェイトハンデを搭載した1号車宝山TOM'S SC430は、マシンの仕上がりが納得のいくものとはならず、メカニックは夜遅くまでメンテナンスに勤しんだ。シリーズ序盤は、予選で上位につけながらも結果には繋がらず、第6戦鈴鹿1000kmでパーフェクトなレース運びにより優勝掴み、後半戦に挑んできた。ウェイトハンデが厳しいものの、トップでチェッカーを受けることを目指し、今回のレースに臨んだ。
予選1回目、アタックドライバーはロッテラー選手。計測2周目で、10番手。300クラスとの混走時には、脇阪選手にスイッチして基準タイムをクリアすると、後半は決勝レースをシミュレートしたロングラン走行でデータ採りを行った。スーパーラップでは、メカニックが昨日より寸暇を惜しんでメンテナンスを施したマシンが、秋晴れとなった富士スピードウェイのコースに咆哮を上げ、飛び出して行く。タイムは公式予選1回目をコンマ2秒ほど上回る1’33”766を記録。結果、予選4番手と大躍進し、翌日の決勝はセカンドロー、2列目から挑むこととなった。

決勝は、スタート直後から急速に上がった路面温度に苦しみ、オープニングラップから前のマシンにどんどん離されてしまった。毎ラップ1秒ずつ離されていき、5周目には、24号車にパスされ5番手にポジションを落とした。11周目走行中、ロッテラー選手からスローパンクチャーとの無線が入り、クルーはタイヤを準備して待機。しかしこれ以上タイムが落ちないことから、今後の展開を考え走行を続けた。15周を過ぎ、5位争いが1号車を含むSC430、3台により展開された。しかしトップから24秒遅れの7位へと後退。23周目には、とうとう9位にまでポジションダウンの苦しい展開。ラップタイムも1分40秒台にまで落ち、25周目にたまらずピットイン。迅速な作業のもと、残り3分の2もあるスティントをベテラン脇阪選手に託し、コースには12位で復帰した。
31周目で7位に浮上し、以降は安定したラップタイムを刻む。後続の100号車とテールトゥーノーズとなり、この二台のバトルは、レース中盤からチェッカーを受けるまで続いた。40周目には、ダンロップコーナーでパスされたものの、翌周コカコーラコーナーで抜き返し、再びダンロップで並ばれたが、前を譲らない。100号車は最終コーナーからテールに食らいつき、コンマ2秒の猛追を脇阪選手のテクニックで凌ぐ。57周目には、一旦前へ出られたものの、再び抜き返すなど激しいバトルを展開。抜群の速さでシーズンを制したホンダ勢のマシンを抑え込むクリーンで見事なレース運びは、ベテラン脇阪選手のテクニックならでは。60周目に周回遅れ巧みに利用し、約2秒後続の100号車と開くことに成功、ごく僅かではありますが楽な展開になった。
タイヤを労わりながら、後続を抑え続けた脇阪選手は、インを差されたら無理をせずクリーンに前へ行かせることも当然考えたというものの、最終的には自らの経験値を如何なく発揮し、最終戦にふさわしい走りで観客を魅了、6位でチェッカーを受けた。
チャンピオンシップにおいては、シリーズ序盤に取りこぼしたのが響き、タイトルを防衛することができなかった。ここ富士で迎えた第3戦は、不運にもフォーメーションラップでマシンが止まってしまい、スタートにすらつくことができないとう大変悔しい思いもした。そんな中迎えた第6戦では、運命のスリックタイヤへの交換が鈴鹿1000kmでの優勝をもたらしてくれた。運に翻弄され吉とも凶とも出たシーズン。しかしチーム力という点では、チャンピオンに値する技量をクルーもドライバーも発揮してくれた。
そして、来シーズンも再びタイトルの奪取を目標にまた走り続ける。



【会場レポート】
サトちゃんとサトコちゃんは、いつだって大人気。
たくさんのお客様に囲まれて、順番待ちの列はドライバーに負けません!
憧れの選手に声をかけるのは緊張しますが、ドミニク選手はいつだって笑顔で答えてくれました。

100戦記念のセレモニーでは、オフィシャルカーのパレードが行われていました。
そのパレードに空から参加したのは、ドクターズヘリ。活躍しないに越したことはありませんが、影からレースを支えています。

予選日のキッズウォーク時。PIT内では、翌日の決勝に向けてメカニックが黙々とメンテナンスを行っています。
今回のトークショーは、デモランでも息のあった活躍を見せている折戸選手と。谷口選手が持っているのは「ユンケルD」です。

決勝スタート直前。集中する谷口選手には、誰も声をかけられませんでした。
とうとう始まった、今シーズン最後のレース。みんなドキドキしながら、谷口選手の怒涛の走りを見守ります。

チーム全員が気合十分。
この後のレースはドミニク選手に委ねられます。
いよいよドミニク選手の出番。
谷口選手はトップでピットインしてきます。

今季2勝目!おめでとうございます!
そしてありがとうございました!!
チーム関係者全員が表彰台の2人を見上げて、一緒に喜びをかみ締めました。

最終戦を見事な優勝で飾り、今季最後の記念撮影。
山路選手も駆けつけてくれました。シーズン序盤の苦しい時、頼りになる走りを見せてくれました。また来年、期待しています!

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