「疲れ」や「栄養補給」に関する
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コラム
更新日:2025/12/11
疲れからくる発熱はなぜ?対策と疲労回復方法を解説

咳や鼻水・喉の痛みなど、風邪症状はないのに熱が出た経験はありませんか?もしかしたら、その発熱、疲れやストレスが原因かもしれません。病気でもないのに、そんな熱の出方があるのかと驚く方もいるかと思いますが、疲れによって熱が上がることも実際にあります。
今回は、そんな疲れが原因で起こる熱について、感染症で出る熱との違いやケア方法、このような熱を出さないための疲労・体調回復対策についてご紹介します。ぜひ、解決や予防に役立つ大切な情報として参考にしてください。
疲労による発熱と感染症による発熱の違い
発熱は、病原体から体を守るための働きであり防御反応です。一般的で身近な発熱に、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染による発熱があります。これは、体内に侵入したウイルスと体が戦うために、免疫細胞が活性化して起こる「炎症性」の反応です。
一方で、疲労によって起こる発熱は、機能性高体温症・心因性発熱と呼ばれる「ストレス性」の反応で、炎症性の発熱とは熱が出る機序が異なります。このストレス性の発熱は、体温調節機能の不調が熱の原因であり、医学的には発熱ではなく「高体温」と呼ばれる状態です。
強いストレスや疲れが続いている体は、自律神経が乱れやすく、交感神経と副交感神経の調節や切り替えが上手くできない状態です。そのため、交感神経が優位になり、体が常に戦闘モードのような状況になっています。心拍数や血圧は上がり、これに伴って体温も上昇します。その結果、急激に38.5℃以上の高い熱が出ることもあります。しかし、免疫機能が活発になる炎症性の反応とは熱が出るメカニズムが異なるため、その多くは解熱剤や風邪薬を使用してもほとんど効果がないのが特徴です。
また、ストレスによって免疫力が低下することで風邪をひきやすくなり、発熱する可能性もあります。日常生活にも影響を及ぼすため、体調管理の一環として疲れやストレスは放置せずに早めに対処しましょう。
発熱時のケアと予防方法
感染による発熱ではなくても、ケアは必要不可欠です。熱が上がれば体力の消耗で全身の倦怠感や頭痛、水分の発散により脱水になるリスクがあることなどがその理由です。疲労による発熱には、「数日にわたり微熱が続く」ケースと「一時的に高熱が出る」ケースの2パターンあります。これらはどちらも、風邪をひいたときと同じように休養と水分補給をしっかりと行いましょう。
また、疲労によって起こる発熱は、ストレスが主な原因です。日頃から以下のようなストレス管理を行って適切な注意を心がけることで発熱の予防につながります。
- 自分なりのストレス解消やリフレッシュ法を探し、ストレスや疲れをため込まない
- 疲れの軽減や自律神経を整えるため、質の良い睡眠を十分にとる
- 質の良い眠りにつながる適度な疲労感を得るため、適度な運動をする
- 気持ちよいと感じる程度のリフレッシュ効果が得られる運動を行う
- 深呼吸や瞑想などの緊張状態が和らぐような、リラックスする時間を取り入れる
疲労が引き起こす発熱には、精神的なアプローチが必要です。ストレス性の発熱の症状が長引く・繰り返す・頻度が多いなどと感じる人は、緊張状態を緩和したりストレスをため込まずに発散させるような対処法を探すことが重要です。自分に合った方法で、無理なく取り入れられるものがおすすめです。
疲労回復には⽣活習慣がカギ
発熱を伴う疲労を防ぐには、疲労回復の知識を踏まえた生活習慣を送ることがポイントです。一つは、日頃から疲れを貯めこまないこと、そしてもう一つは、疲れがたまっても回復を促すよう意識することです。具体的には、「睡眠」「食事」「運動」に関する以下の生活習慣を心がけましょう。
【睡眠】
- 寝る前のカフェインやアルコールを控える
- 寝る直前はパソコンやスマートフォンは見ない
- 良い就寝環境に整えるため、静かな暗い部屋にし温度・湿度を調整する
- 朝は光を浴びて、起床・就寝時間を一定にするなど生活リズムを整える
【食事】
- 5大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル)をバランスよく摂取
- 1日3食摂取することで、栄養やエネルギー補給だけでなく生活リズムを整える
- 主食・主菜・副菜を意識した献立にする
【運動】
- ストレッチやウォーキングなど、軽い運動を習慣化する
- 掃除や洗濯などの日常的な家事の中で体を動かす
- 歩行時に歩幅を大きくしたり、早歩きをしたりする
規則正しい生活習慣は、自律神経を整えて、心と体の健康を作るために大変重要です。上記のような習慣を可能なものから取り入れていくと、少しずつ変化がみられるでしょう。一覧の中から実施できそうな内容をチェックし、疲れに負けない体を作りましょう。
ただし、セルフケアで改善がみられない、または悪化している、生活に支障が出るなどの場合は、何らかの疾患が潜んでいる可能性もあります。医療機関での検査や治療が必要なケースも考えられるため要注意です。少しでも不安や心配・異常を感じる要素があれば、自己判断に頼らず、クリニックなどの医療機関を受診して医師の診察や説明を受けてみましょう。
仕事や家事・育児などを頑張る大人だけでなく、学校での勉強や活動・スポーツに一生懸命取り組んでいる子どもも、疲労による発熱の可能性はあります。だるさや疲労感などのサインに早めに気づいたタイミングで、休息をとるなどの対応が必要です。慢性的な疲労やストレスでの発熱にお悩みの方は、ぜひ本記事で解説した内容をご活用ください。
