ユンケル

生薬の基礎知識

1.免疫力とは ─私たちの健康を守る力─

免疫力とは「病気(疫)から免れる力」のことをいいます。私たちの体には、細菌やウイルスなどの病原体を異物として認識し、対抗・排除する免疫という仕組みが備わっています。免疫には異物の侵入を防ぐ「粘膜免疫」と、侵入した異物を攻撃する「全身免疫」がありますが、それぞれ内的及び外的な要因によって影響を受け、その力は常に変動しています。

免疫の仕組み

01

異物から防御「粘膜免疫」

異物が最初に接触するのは、目・鼻・口・呼吸器・消化管などの粘膜組織です。粘膜は防御の最前線としてウイルス等の病原体が体内に侵入することを粘膜免疫により防いでいます。

異物から防御「粘膜免疫」

02

異物を攻撃「全身免疫」

粘膜免疫を突破し、体内に病原体が侵入・増殖し始めると感染状態となります。感染後は全身免疫による総力戦となり、増殖した病原体を直接攻撃したり、感染した細胞を破壊することで病気の発症を防ぎます。

異物を攻撃「全身免疫」

暴露・感染・発症

乾燥・喫煙・ストレス・刺激物等で粘膜が傷つき、粘膜免疫が弱まれば容易に病原体の侵入を許すことになり、栄養不足・寝不足などで体力が充分でないと全身免疫が弱まり、発症と重篤化を招きます。逆に考えれば、生活習慣の見直しや適切な栄養補給により、免疫力は維持向上することができるということです。

2.生薬と免疫力の関係

生薬は古くから、かぜ等の感染症の予防及び治療に活用されてきました。生薬の基本的な考え方が、「心身を整え、免疫力や自然に治る力を高める」ことを目的にしているためです。一般的な薬は、主に症状を抑えることを目的にしているため、予防や根本治療は生薬の得意分野であるともいえます。

一般的な薬と生薬の違い

一般的な薬と生薬の違い

免疫力と関わりの深い
生薬の種類
ほきやく補気薬

エネルギー源となり、
体力を増強する生薬

エレウテロコック、
ニンジン等

ほけつやく補血薬

全身に栄養を運ぶ
血液を作り出す生薬

ゴオウ等

けんいやく健胃薬

胃腸機能を改善し、
消化吸収を助ける生薬

チンピ、タイソウ等

ほようやく補陽薬

新陳代謝を改善し、
全身を温める生薬

トウチュウカソウ等

じいんやく滋陰薬

粘膜に潤いを与え、
機能を維持する生薬

ニンジン等

せいねつげどくやく清熱解毒薬

熱や炎症を抑え、
毒素の排泄を促す生薬

カンゾウ、ブクリョウ等

他にも免疫機能に直接働くことで免疫力を高める等、生薬には多種多様な働きが報告されています。
日々の栄養補給の一環として生薬を日常生活に取り込み、かぜ等の予防に役立てましょう。

3.免疫力を高める代表的な生薬

エレウテロコック

エレウテロコック

基原
ウコギ科エゾウコギの根茎、根皮または幹皮
別名
エゾウコギ(蝦夷五加)、シゴカ(刺五加)他
主な産地
ロシア(シベリア)、中国(東北・河北)、日本(北海道)
成分
エレウテロサイドB、エレウテロサイドE、
イソフラキシジン、食物繊維、セサミン、クロロゲン酸等
薬効
代表的な補気薬のひとつで、体力を増強して免疫力を高める。
疲労やストレスを緩和することで集中力、持久力の向上にも役立つとされる。

トウチュウカソウ(冬虫夏草)

トウチュウカソウ(冬虫夏草)

基原
バッカクキン科のフユムシナツクサタケの子実体及び寄主
別名
ナンオウゴン(軟黄金)、チュウカチュウソウ(中華虫草)
主な産地
ロシア(シベリア)、中国(東北・河北)、日本(北海道)チベット、ヒマラヤ地方、中国四川省など
成分
虫草酸(D- マンニトール)、コルディセピン、エルゴステロール、コレステロール、多糖類、ビタミンB12
薬効
代表的な補陽薬のひとつで、新陳代謝を促進し体を温めて免疫力を高める。心肺機能を高めることで、運動機能の向上にも役立つとされる。

ニンジン(人参)

ニンジン(人参)

基原
ウコギ科オタネニンジンの根
成分
ギンセノシド、精油、ヌクレオシド、ペプチドグルカン、ミネラル、ビタミンB1・B2、コリン、糖質、非タンパク性アミノ酸等
薬効
代表的な補気薬のひとつ。
補気のほか健胃や滋陰の働きも持つため、消化器や気道粘膜を保護し、粘膜免疫の維持に役立つとされる。

チンピ(陳皮)

チンピ(陳皮)

基原
ミカン科ウンシュウミカンの果皮
成分
ヘスペリジン、ナリンギン等のフラボノイド類、精油類(リモネン、テルピネン)、シネフリン(アルカロイド)等
薬効
健胃薬のひとつで、消化器の機能を整えることで免疫力を高める。
去痰作用を持つことから、気道粘膜の正常化にも役立つとされる。

上記の生薬が配合されているユンケル