ユンケル

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チンピ(陳皮)

植物性

チンピ

ミカン科ウンシュウミカンの果皮を用いる。
ウンシュウミカンは日本原産で、7~8世紀ごろ中国から九州に渡来したミカン科カンキツの一種が、既に日本で自生していた種と結びつき、偶発的に生まれた果樹であるとされる。発見されたのは江戸時代のことで、鹿児島県の長島が原生起源地と推定されている。
発見当時はミカン科キシュウミカンが全盛であったが、明治になると九州から日本各地へとウンシュウミカンの栽培が広まった。

学名
CITRI UNSHIU PERICARPIUM
日本名
陳皮(チンピ)
主な産地
日本(愛媛、和歌山、静岡、佐賀、熊本など)
基原
ミカン科ウンシュウミカンの果皮
成分
精油類(リモネン、テルピネン)、フラボノイド類(ヘスペリジン、ナリンギンなど)、アルカロイド(シネフリン)など

search豆知識

陳皮の陳は「古い」という意味の漢字です。生薬の伝統的な考え方の一つに「六陳」というものがあります。生薬を選ぶときには古く熟成した方が良いものと、新しく鮮度がある方が良いものがあり、「古い方が良い代表的な6種類の生薬」が「六陳」です。「六陳」には陳皮のほか、呉茱萸・枳実・半夏・麻黄・狼毒があるとされます。これらの生薬には、強烈で刺激が強い成分が含まれているため有毒ですが、時間の経過により、安全で効き目の高い成分に変化します。ミカンの皮をそのまま食べたら、苦くて気持ち悪くなってしまった...そんな経験はありませんか?なお、古ければ良いというわけではなく、陳皮であれば1〜2年の熟成が良いとされています。これ以上経つと、薬効成分も減り、効果が失われてしまうのです。ただの「古い皮」ではなく、手間暇かけて一番良い所で選ばれたのが「陳皮」というわけです。

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